監督解任ブーストは迷信なのか
皆さんは監督解任ブーストという言葉をご存じでしょうか?
監督が解任された直後はなぜか成績が上向くというアレです。
- 新監督に気に入られるために選手が頑張る
- 監督が解任されるほど成績が落ち込んでいたのでそれよりかはマシになる
- 前監督が悪影響を及ぼしていた
ブーストが起こる理由としてはこれらが思いつきます。しかしどんなに不甲斐ない監督でも解任後の暫定監督や就任したてで戦術を落とし込めていない後任監督などに比べればまだ戦えるのではないでしょうか?そもそも本当に監督解任ブーストなど存在しているのでしょうか?
そこで今回は監督解任ブーストが本当に存在しているのかについて検証していきます。
ルール設定
監督が解任される前5試合と解任された後の5試合で獲得した勝ち点を比較します。
現在プレミアリーグに所属している20クラブの18-19シーズンから現在までの3.5シーズンまでが集計の対象で2部に落ちている期間や解任後5試合行っていない場合は除きます。
正式な監督が解任された場合のみカウントし、暫定監督が解任された場合は除きます。
一方解任後は暫定監督だろうがスタッフだろうが誰が率いたとしてもカウントします。
まあ対戦相手にもよるので一概に言えるわけではないですがとりあえず集計していきましょう。
各クラブ
マンチェスターシティ
解任0人
マンチェスターユナイテッド
2018年12月18日 モウリーニョ解任
解任前1勝3分け1敗 勝ち点6 解任後5勝 勝ち点15
2021年11月21日 スールシャール解任
解任前1勝4敗 勝ち点3 解任後4勝1分け 勝ち点13
リバプール
解任0人
チェルシー
2019年6月16日 サッリ解任
解任前1勝3分け1敗 勝ち点6 解任後2勝2分け1敗 勝ち点8
2021年1月25日 ランパード解任
解任前1勝1分け3敗 勝ち点4 解任後4勝1分け 勝ち点13
アーセナル
2019年11月29日 エメリ解任
解任前3分け2敗 勝ち点3 解任後1勝2分け2敗 勝ち点5
トッテナム
2019年11月19日 ポチェッティーノ解任
解任前3分け2敗 勝ち点3 解任後4勝1分け 勝ち点13
2021年4月19日 モウリーニョ解任
解任前1勝2分け2敗 勝ち点5 解任後3勝2敗 勝ち点9
2021年10月31日 ヌーノ解任
解任前2勝3敗 勝ち点6 解任後3勝2分け 勝ち点11
レスター
2019年2月24日 ピュエル解任
解任前1勝4敗 勝ち点3 解任後4勝1敗 勝ち点12
ウエストハム
2019年12月28日 ペレグリーニ解任
解任前1勝4敗 勝ち点3 解任後1勝1分け3敗 勝ち点4
リーズ
解任なし
エヴァ―トン
2019年12月5日 シルバ解任
1勝1分け3敗 勝ち点4 3勝2分け 勝ち点5
2021年6月30日 アンチェロッティ解任
2勝1分け2敗 勝ち点7 1勝3分け1敗 勝ち点6
アストンヴィラ
2021年11月8日 ディーンスミス解任
5敗 勝ち点0 3勝2敗 勝ち点9
ニューカッスル
2019年6月24日 ベニテス解任
1勝3分け1敗 勝ち点6 1勝1分け3敗 勝ち点4
2021年10月20日 ブルース解任
2分け3敗 勝ち点2 3分け2敗 勝ち点3
ウルブス
2021年5月 ヌーノ解任
1勝1分け3敗 勝ち点4 1勝4敗 勝ち点3
クリスタルパレス
2021年5月24日 ホジソン解任
2勝3敗 勝ち点6 1勝2分け2敗 勝ち点5
サウサンプトン
2018年12月3日 ヒューズ解任
3分け2敗 勝ち点3 2勝3敗 勝ち点6
ブライトン
2019年5月19日 ヒュートン解任
3分け2敗 勝ち点3 1勝2分け2敗 勝ち点5
バーンリー
解任なし
ノリッジ
2021年11月 ファルケ解任
1勝2分け2敗 勝ち点5 1勝2分け2敗 勝ち点5
ワトフォード
2019年9月 グラシア解任
1分け4敗 勝ち点1 1勝3分け1敗 勝ち点6
2019年12月 フローレス解任
1勝1分け3敗 勝ち点4 1分け4敗 勝ち点1
2021年10月 シスコ解任
1勝1分け3敗 勝ち点4 2勝3敗 勝ち点6
ブレントフォード
解任なし
集計結果
こちらが全クラブの監督解任前後の成績の変化をまとめたものとなります。
リーグ全体としては5試合で平均5点勝ち点が増加するという結果が出ました。15クラブ中11クラブが監督解任により成績の上昇がみられるため監督解任ブーストは存在するということで間違いないでしょう。
ちなみにBIG6のみを対象として監督解任前後の5試合を比較した場合12.75点、1試合平均2.55点の勝ち点の増加がみられるという驚きの結果が出ました。
戦力が揃っているのに成績が伴っていないというチームを好転させるという目的においては監督解任は効果的な策であるということでしょう。まぁ監督を解任しないで良い成績を保つのが1番ですけど。
ただニューカッスルやノリッジなどの降格圏のチームの場合は解任ブーストが発生しづらいということもわかりました。すぐに監督を変えることで有名なワトフォードだけはなぜか若干のブーストが発生しているのはプレミアリーグ七不思議の一つです。
お知らせ
2月7日までにこの記事とルックマン特集とノッティンガムフォレスト特集の3つを作成する予定であると言っていましたが、過去の成績を調べるのに思っていたより時間がかかってしまい3つ全部公開できるか怪しいです。完全に順番を間違えた感はありますがとりあえず残りの2つも頑張ります。